専門分野

小児泌尿生殖器疾患チーム

小児泌尿生殖器疾患チームの取り組み

性分化疾患と性器の異常

性分化疾患とは、「染色体、性腺、または解剖学的性が非定型である先天的状態」といわれています。簡単に言うと先天的な性の個性のバリエーションの一つです。

性の決定は外性器だけでは決まりません。染色体、性腺(卵巣、精巣)、外性器、内性器、性自認(志向)などがかかわります。

有坂治編、ビギナーのための小児内分泌診療ガイド,中山書店,2014,140-149より引用改変

我々が扱う、性分化疾患には、新生児期に診断されるものと、思春期以降に診断されるものがあります。

新潟大学医歯学総合病院では、「小児泌尿生殖器疾患チーム」を結成しました。

メンバーは、小児外科、泌尿器科(小児泌尿器科)、産婦人科、小児科(内分泌、循環器、腎臓など)、形成外科、整形外科、放射線科の医師に加えて、看護師、臨床心理士も参加して定期的な会議および合同手術、合同検査などを行っています。

主に新生児期から多段階治療が必要な、「総排泄腔遺残症」、「総排泄腔外反症 」では、チームメンバーが密に連携を取って、迅速に治療にあたります。長期的な管理もチームで行います。

多くの施設で産婦人科はこれらの患者様と思春期以降にかかわることが多いなか、我々の施設は新生児期から参加し、生殖器の保護、長期管理を行っています。思春期以降になると、月経、性機能、妊娠についてそれぞれの患者様に合わせた説明と、治療を行っています。

思春期以降に診断される性分化疾患としてはロキタンスキー症候群、機能性子宮を伴う膣欠損症、OHVIRA症候群(片側腟閉鎖)、アンドロゲン不応症、その他の子宮腟構造バリエーションなどがあります。

子宮体部、子宮頚部、腟のバリエーションに関するESHREの分類です。

ロキタンスキー症候群に対する腹腔鏡下造腟術(Davydov法)や、機能性子宮のある腟欠損症に対する腹腔鏡下造腟術を施行しております。機能性子宮がある場合は新しく作った腟と機能性子宮を接合いたしますが、当科では腹腔鏡にて行っております。

造腟術を施行した患者様の腟のメンテナンスも、長期にわたり、患者様とともに行います。
アンドロゲン不応症に対するホルモン療法に関しては小児内分泌医や内分泌代謝内科医と連携して行います。

泌尿生殖器奇形に対する再建術

産婦人科で泌尿生殖器疾患に対する再建術(造腟術、腟形成術など)をする場合の目的は、①月経血が流れる道を確保すること、②性生活のための膣を形成すること、③妊娠できるかどうかについてよく検討し、できるだけ温存することです。

これまでご紹介した疾患では、どの患者様も、それぞれ少しずつ違います。お一人お一人に対応することがとても大切です。

気軽にご相談ください。

クロアカネット
http://pedsurg.kyushu-u.ac.jp/cloaca/
ガイドライン
「先天性難治性稀少泌尿生殖器疾患群(総排泄腔遺残症、総排泄腔外反症、MRKH症候群)におけるスムーズな成人期医療移行のための分類・診断・治療ガイドライン」
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0323/G0000992
日本DSD患者家族会
https://www.nexdsd.com/