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胎児心エコー外来について

先天性心疾患

100人の赤ちゃんが生まれると1人は先天性心臓病を持っています。時には心臓病が極めて重症で、生まれた直後から集中治療を必要とする赤ちゃんもいます。これまでの妊婦健診では心臓病の発見が困難で、出生後に呼吸困難や心雑音などの症状が出現してはじめて心臓病を疑われるのが普通でした。

胎児心エコーの目的及び限界

近年医療の進歩により心臓病を胎児期から検査することが可能になってきました。そのため妊婦健診(産科超音波検査)で心臓病の可能性があると判断された場合には詳しい超音波検査を受けることをお勧めします。生まれる前から心臓病のことが分かっていれば、胎児のために最もよい方法(分娩施設、分娩方法、出生後の治療)をあらかじめ御相談することができます。超音波検査ですので妊婦さんにも胎児にも危険や苦痛はありません。ただし母体を通して行う検査であり、出生後に行う検査に比べてわかりにくいこともあります。また妊娠中(胎児期)には診断の難しい心臓病もありますので、100%正しく診断できるわけではありません。

胎児正常心臓の超音波画像(カラードップラー法)

胎児心エコーの流れ

通常の妊婦健診中や胎児スクリーニングエコー中で、おなかの中の赤ちゃんに心臓病が疑われた方が対象となります。

当院産婦人科医師による胎児全体の観察を行い、その後、産婦人科医師および小児循環器医師により胎児心臓の観察を超音波検査により行います。検査にかかる時間はおおよそ1時間程度。ただし胎児の状況によりその時間は異なります。その後、産婦人科医師および小児循環器医師より検査結果の説明や今後の方針についての説明となります。

胎児心エコーにかかる費用について

「胎児心エコー法」の費用は、以前は保険診療ではなく、「先進医療」となっていました。しかし、2010年4月より正式な専門医医療行為として厚生労働省に認定され、保険診療が認められるようになりました。これにより、この検査にかかる費用については、健康保険の自己負担分のみとなります。

  • 胎児心エコー外来受診時は、かかりつけの産婦人科医師からご連絡、紹介状が必要となります。