新潟大学医学部産科婦人科学教室

婦人科のご案内

婦人科について

産婦人科は女性のすべてのライフステージにおいて、女性をあらゆる面から全人的に診療する部門です。一見狭いようで実は非常に範囲が広い診療分野で、①腫瘍、②周産期、③生殖(リプロダクティブ)④女性医学(女性のヘルスケア)、の4本柱で成り立っています。一般的に、<婦人科>は腫瘍、<産科>は周産期が中心となりますが、この4分野は女性の健康的な一生を守るうえで、どれも欠かすことができず密接に関連しています。一例を挙げますと、子宮頸がん(①腫瘍)は20-30代の若年女性に急増していることから、妊娠中(②周産期)に見つかることも多く、摘出術が必要になることもあります。術後にはよりよい状態で妊娠するために生殖補助医療(③生殖)が必要になることもあり、卵巣機能や心身のサポートには④女性のヘルスケアが必要になります。当科では、妊娠中の子宮頸がんに対して妊娠子宮を温存して子宮頸がんの根治的切除を行う治療を全国に先駆けて行っております。この先進的な治療が当科で可能であるのは、熟練した技術とともに4分野の緊密な連携ができる診療体制が確立しているからであると自負しております。

当科で行われている婦人科診療の特徴に関して以下に概要を記載します。


1.良性疾患

患者さま各々の症状とライフスタイルに合わせた治療方法を提示し、納得性の高い治療を選択できるように心がけています。外来診療は日本産科婦人科学会専門医が担当し、主に女性の医師が担当する「女性ヘルスケア外来」を開設しています。子宮筋腫や子宮腺筋症、卵巣腫瘍などに対する手術は、患者さんの負担が少ない内視鏡手術を基本とし、症例に応じて患者さまのQOLを第一に考えた治療を相談させていただきます。


2.悪性疾患

手術、化学療法、放射線療法、化学放射線併用療法、分子標的療法を集学的に駆使して、根治率の向上とQOLの改善をめざし、放射線科、外科各科や病理部の協力を得て診療を行っています。週一回の術前検討会には、放射線診断科医師に出席していただいて詳細に画像所見のディスカッションを行っています。病理検討はCPC(Clinico-Pathological Conference)として、婦人科病理の第一人者である山形大学前教授の本山悌一先生をお招きし、月2回の症例検討を行っています。治療方針が各科にまたがる症例では、腫瘍内科を中心としたキャンサーボードに症例提示を行い、関係各科との連携を大切にしています。特に外科学教室との連携のもとで、根治を目指した「残存腫瘍ゼロ」を目標にした積極的手術が行える環境を整えています。初期の子宮体癌に対しては、保険適用が認められる「腹腔鏡下根治術」を標準治療とし、内視鏡技術認定医と婦人科腫瘍専門医の執刀(指導)で約50例の実績があります。


3.臨床試験

特定非営利活動法人婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG: Japanese Gynecologic Oncology Group)、および日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG: Japan Clinical Oncology Group)の登録施設であり、多数の臨床試験に参加することが可能です。


4.遺伝性腫瘍

当科は遺伝性乳がん卵巣がんの研究と診療で全国屈指の業績があります。ご家族に複数の乳がん卵巣がん患者がおられる方、ご自身が乳がん卵巣がんに罹患され、遺伝の影響を心配されている方は、「遺伝子診療部門」と連携して遺伝カウンセリングを行い、定期健診や遺伝子検査を含めた情報提供を行います。臨床遺伝専門医が婦人科診療を担当し、遺伝性腫瘍に関連した女性のヘルスケアに関する相談も行います。個人情報は厳重に守られます。

新潟大学大学院医歯学総合研究科・准教授 関根 正幸


診療・治療概要

新潟大学医歯学総合病院では、教授、准教授を中心に12-15人の医師が、婦人科良性疾患および悪性疾患の診療にあたっています。

婦人科良性疾患に対しては、身体への負担が少ない「内視鏡手術(腹腔鏡手術、子宮鏡手術)」を積極的に取り入れています。婦人科悪性疾患に対しては、子宮を切除しない「妊よう性温存治療(妊娠する能力を保つ治療)」、「子宮体癌の腹腔鏡手術」、「抗がん剤治療と放射線治療を組み合わせた集学的治療」などに加えて 、分子標的薬などを使用した治療も行っており、患者さんにとってベストの治療が提供できるよう心がけています。